前回 に引き続き、
The Rustnomicon の Implementing Vec をやってみる。
コード全体は GitHub上のリポジトリ にある。
rustcのバージョンは以下のとおり。
$ rustc --version
rustc 1.25.0-nightly (27a046e93 2018-02-18)Deref
標準ライブラリのドキュメント を見ると、
Vec に適用できるかなりのメソッドはスライスへのderef.を経由して呼べることが分かる。
Vec の中身は同じ型を集めた配列なので、スライスへderef.するのは自然である。
そこで、Deref<Target = [T]> for Vec<T> を実装する。
簡単で、slice::from_raw_parts() を呼ぶだけである。
はじめのアドレスと要素数を渡すとスライスを作ってくれる。
要素数が0のときも正しく動作するようだ。
use std::ops::Deref;
impl<T> Deref for Vec<T> {
type Target = [T];
fn deref(&self) -> &[T] {
unsafe { ::std::slice::from_raw_parts(self.ptr.as_ptr(), self.len) }
}
}&mut [T] にderef.する DerefMut 版もつくっておく。
今度は slice::from_raw_parts_mut() を呼ぶ。
DerefMut: Deref なので、Target の指定は必要ない。
use std::ops::{Deref, DerefMut};
impl<T> DerefMut for Vec<T> {
fn deref_mut(&mut self) -> &mut [T] {
unsafe { ::std::slice::from_raw_parts_mut(self.ptr.as_ptr(), self.len) }
}
}